あの日から、数日がたった今日。


今まで人の会話とかに耳を澄ませることはなかったけれど、


『渡辺先輩』


その話題になると、何故か無意識に耳を傾けている自分がいる。


聞きたい情報ばかり耳に入る訳ではなく、もちろん聞きくたくない情報も耳に入る。


例えば…元カノのこととか。


今現在は彼女はいないようだけど、中学時代に1人だけいたんだとか。


もしかしたら今も好きなのかもしれないよね、、


私は考えたくないから、窓の外を眺める。


すると、


「…えっ」


外には、私に大きく手を振ってる人が見える。


目を細めてじっくりその人を見てみると、


は、珀先輩!?


隣の男の先輩が、恥ずかしいからやめろよ、みたいな感じで珀先輩を引っ張るけど


辞めることなく手を振り続ける珀先輩。


体は私達の教室に向いており、今窓際で私しか席に着いてないから、多分、、私に振ってる。


どうしたらいいか戸惑うが、


とりあえず小さく手を振った。


すると、満足そうに、グットラックポーズ(?)みたいなのをし、その先輩の友達と走り出した。


なんだか嬉しくて、顔が緩んでしまう。