声のする方を見ると


くるみ色の髪の毛に、綺麗な茶色の瞳


透き通った白い肌の、高身長の男の人がいた。


かっこいい…の一言しか頭には浮かばなかった。


「わ、渡辺先輩っ!!」


目の前の女の子は、ばつの悪そうな顔をしてそんな言葉を口にする。


「3対1って…それっていじめじゃない?」


そう言ったあと、渡辺先輩?っていう人が、大丈夫?


そう言いながら、私に手を伸ばしてくれる。


「…は、はい。」


申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも


その先輩の手を握り、ゆっくりと立ち上がる。


「何があったのか知らないけど、女の子に手出しちゃだめだよ。…ていうか、君たちも女の子なんだから、乱暴なことしないんだよ」


先輩は優しい口調でそういい、女の子たちはまんざらでもない様子で、どっかへ去ってしまった。


…イケメンって強い…


私は改めてそう思った。


「…えっと、、名前は?」


急に先輩にそう聞かれ、佐藤百合です。と答える。


聞いて意味があるのかな?なんて考える。


「…ゆ、百合ちゃん。そろそろ手、離してくれるかな」


私は先輩が言ってる意味がわからなかった。


手?なんで?


私は1度自分の右手を見る。


その私の右手は、しっかりと先輩の手を握っていた。


「ぁぁあああっ!!ごごごごめんなさい!!!」


勢いよく手を離し、勢いよく頭を下げた。


ぁああ、ほんとに不快な思いをさせてしまった


助けてくれたのに何やってんだろ私ぃぃ


なんて、涙目になってしまう。


「いやいや、そんなに謝んなくていいって!」


先輩は笑顔でそんなことを言ってくれるけど


私のプライドが許さない。うん。


「な、なんでもするのでほんとに!!不快な思いしましたよねすみませんんんっ」


全力で頭を下げる私を、全力で止めようとする先輩。


すると、急に、あっ!なんて言い出す。