「おぉ、珀いたのかよ。…ってもしかして、百合ちゃん覗き見？」


その黒髪の先輩が、逆のドアから出ていく女の子を見ながらそんなことを言う。


「…ちっ、、違います！！たまたま通りかかって……その、、」


…ご、誤解されてしまう。。


「ははっ、なんだ！百合ちゃん悪趣味なんだね？」


ニヤニヤしながら珀先輩は言う。


「だ、だから覗き見なんてしてませんっ」


必死に否定をするが、バカにしたように笑う2人。


すると


グゥゥゥ


「………」


あ、、、


なってしまった。


「……百合ちゃん、お腹すいてるの？」


「…へ、、」


珀先輩は目を丸くして私を見てくる。


ものすごく恥ずかしい。


誤魔化しようがない、


私は小さく首を縦に振る。


「え、俺いまパン3つくらい持ってるからやるよ」


上を見上げると、黒髪の先輩がホットドックを私に向けてくる。


「……い、いや、悪いですよ。今から購買行くので大丈夫ですっ」


「いいって。あ、ホットドック嫌いだった？あんぱんと、ココア揚げパンもあるけど」


先輩は3個のパンを両手に抱える。


「嫌いじゃないですけど…」


「じゃぁ、やる。俺に餓死させる趣味はない」


先輩は真顔で私の手で無理矢理パンを握らせる。


…この人は天然なのだろうか……?


「…あ、、ありがとうございます。…えっと」


「高野 隼人」


「…高野、先輩」


すごくクールだけど、天然なのだろう…か。


そんな会話をしていると


「はーい、ストップストップ！距離近くない？」


「えっ」


珀先輩が、私と高野先輩の間に手を入れる


少しムスッとした顔になる珀先輩。


…怒ってる？？


「なんだよ珀。ヤキモチか？」


「はっ!?そういうのじゃないから！てか昼休み終わるから戻る！じゃーね百合ちゃん！」


2人は長い足で素早く去っていった。


…や、、、ヤキモチ？って、何？