1年生の教室は3階にあって、購買は1階にあるから、結構な距離を歩く。


自分なりの早歩きをしてると、


「…渡辺先輩」


そう少し離れた場所から聞こえた。


無意識に私は足を止め、声に耳を澄ましてしまう。


…多分、人がいるのは空き教室。


空き教室をちらっと覗くと、


すごく美人な女の子と、珀先輩がいた。


「…渡辺先輩のことが好きです。付き合ってください!」


…告白…だ、、


わぁぁあ、、初めて聞いてしまった。。


私は動揺してしまうが、足は何故か動いてくれない。


すると、


「…ごめん。気持ちはすごく嬉しいんだけど、今は彼女とか考えてないんだ。…でも、ありがとう。」


その声の持ち主はもちろん珀先輩で、


いつもの爽やかな低音ボイスでそう言う。


…"ありがとう"…か。。


珀先輩の言葉ひとつひとつに優しさを感じる。


なんて思ってると、


「…君…もしかして佐藤 百合ちゃん??」


後ろから方を叩かれるのと同時に、男の人の声が聞こえる。


……え?


私は恐る恐る振り返ると、


「………どなた…ですか?」


目の前には黒髪で、片耳にピアスをつけている人がいた。


…なんかどこかで見たこと……


「隼人!?(はやと)と百合ちゃん!?」


……あっ、、


「…珀……先、輩」