「もう……。」

呆れている柚姫の顔を見て俺は少しだけ嬉しくなった。

「なぁ柚姫……。」

「ん?」

「俺、疲れたから帰るな。先生に言っといてくんねぇ?」

なんか精神的に疲れた。

「わかった!言っとくね」

「じゃあな。」

俺はそのまま家まで歩いて帰った。

道に生えていた花。

走り回る子供。

俺は改めて、人を殺してしまった事を後悔している。

皆、生きてんだよな……………。

「ただいまー。」

家について自分の部屋に行こうと階段を登る。

『ガタッ』

部屋の中から音がした。

俺の部屋じゃない。

雅の部屋。

俺はおそるおそる扉を開ける。

「………………」

「…………」

「……………おじゃましました。」

中を見たら、雅と何か知らない男がキスしてた。

「……こないだの尋みてぇ…。」

まぁ………いいや。

雅って彼氏いるのかよ。

お兄ちゃんに隠し事なんて……。

……あれ?俺、キャラ変わってない……?

『ブーブーブー』

一人ギャグの途中、携帯のバイブがなった。

「誰だろ…」

知らない番号だったけど出ないわけにはいかない。

「……もしもし。」

『………あの』

「はい…」

『宮野和詩さんですか?』

俺の携帯は俺しか出ません。

「そうです…」

『あの、私、桃井柚姫の母なんですが。』

柚姫の………お母さん…?

少し黙っていた俺。

言葉が出てこなかった。

「えっと………」

『単刀直入に言うわね。柚姫と別れてください。』