「もう人を殺さねぇって柚姫と約束してんだよ!」

「んなもん、知るか。私達の勝負には関係ぇねぇ。」

「俺がお前に手ぇ出したら柚姫との約束を破ったことになる。そんなことしたら俺はもう……柚姫に合わせる顔がねぇ。……」

苺ちゃんは下を向いた俺の頬を殴った。

さっきから苺ちゃんの手は震えている。

「お前が野山に言われたことは少し間違ってる。私が罪を擦り付けたんじゃねぇ………優太が…私を守ってくれた…。」

苺ちゃんの目には涙が流れ出ていた。

もちろん俺は苺ちゃんの流した涙に同情はしない。

俺は優太が誰なのかすらわからないのだから。

「優太はな………お前に殺された、私の……彼氏だった……。」

「……………」

俺は何も言えないでいた。

「私が、組のためにその二人を殺した。まぁ、お前等は仕返しに来ると思ってたよ……。優太は二人を殺した事を自分がやった事にして、私を守ってくれたんだ。」

守ってくれた………?

「………………だから何の罪もない優太を殺したお前が死ぬまで私は……………」

苺ちゃんが何か言っていた途中だったけど……。

けど俺は止まらなかった。

『バシィッ』

「苺ちゃんバカか…?」

苺ちゃんは殴られた頬を触って俺を睨んだ。

「守ってくれた?バカ言ってんじゃねぇよ。そいつを殺したのは確かに俺だけどな……殺されるところまで追い詰めたのは、苺ちゃんだろ?」

「……はぁ?」