柚姫はそういうが、俺はなんとも思わない。

「そんなことないって。メッチャ見やすかったし。また借りてもいいか?」

そういうと、柚姫は笑顔になって、首を縦にふってくれた。

『…ツンツン……』

柚姫とたわいない話をしてるときに、俺の肩をつつく人…それは……

「亜依!!………どうしたんだよ。暗い顔して…」

亜依はいつも明るくて元気で活発。

だから亜依が暗いときはなんかあったときだ。

「相談があるんだ。」

そういって、俺を廊下に連れ出す。

亜依が悩み事なんて珍しいと思って、亜依の顔を覗き込むように聞く

「アタシね…尋の事が好きなの。…和チャン!協力してくれる?」

…ふへっ…!?

「えぇぇぇ~~~」

俺は廊下の隅から隅まで聞こえるような大きい声を出してしまった。

口を押さえられた俺は、無理矢理、亜依の手を引き剥がす。

「和チャン声デカすぎ!!……協力してくれる?」

頬を少しだけ赤くして、俺に頼んでくる。

「それはもちろん!協力するけど、何で俺に言うの?」

俺と尋は、仲良いけど、悟だって仲良いんだし……

「……だって和チャン、尋とメッチャ仲いいし、尋は和チャンの事好きって言ってるし……」

いや…それは、そういう意味の『好き』じゃないんだけどな…

ッて、亜依…よく見てるわ

「まぁ何かあったら言いな!話なら聞いてやれるし」

そう言って俺は教室に戻る。

戻ってからすぐ、悟が俺を呼ぶ。

「ねぇ、和!今度さぁ俺と祐芽で遊びに行くんだけど、和も来ない?」

…はぁ?…

「何で俺1人でお前らのデートについていくんだよ…」

俺だけ絶対、邪魔者じゃん!

「違うって。もう1人は祐芽が誘ってくれるから、和は後、二人ノルマがあるからね!」

何しにそんな大勢で行くんだよ。

…しかも、あと二人って…

そのままいつものように1日の学校生活が終わろうとしてた時思い出した。

あと二人とか……って二人なら!!

「亜~依♪いい知らせだ!」

亜依のいるA組に行く。

「和チャン?どうしたの?」

そう言った亜依と俺の後をタイミング良く通ろうとした尋を呼び止める。