「えっ…柚姫!?」

「……?何…?」

その質問はおかしいだろう。

「何で…って俺ら高校生だし…それに……」

「……それに?」

柚姫は何でも聞き返してくる。
『何で。』
とか…………。俺の身にもなってよ。

「さっきの冗談で……。柚姫の事、大切にしたいし…。」

「……和君…。」

「俺の都合で柚姫を傷つけたくない。」

「…わかった……。」

「…それと……柚姫は自分からそうゆう事する人じゃないよ………?」

………………………………………………………………柚姫は答えようとはしない…

「……私ね、焦ってたのかも知れない。何に焦ったのかは、私もわかんない。けど……気持ちだけが先に進んでいっちゃって………」

柚姫は柚姫で辛かったんだ。

「…そっか………焦らなくてもいいんだよ。ゆっくり進も。柚姫が言ってくれたんだから」

「…うん……」

悲しそうに微笑んだ柚姫に俺はなにもできないでいた。

「柚姫………良いものあげよっか?」

「欲しい!」

すぐに元気になった。

「……どこにつけて欲しい?」

「……?どこかに張るものなの?」

張る……ってか…するんだけど。

「どこでもいいけど……」

「じゃあ、じっとしてて」

言われた通り動かないで待ってた。

……………………………………………………………………

『ちゅぅ』

……………………………………………………………

「和君、これって……」

「ん?それはねぇ」

柚姫の首にできたアザを触りながら耳元で、

「キスマーク」

囁いた。

柚姫はそれを聞いてアザを触った。

「これがキスマーク…?」

「そう。」

触りながらニヤニヤと笑う柚姫。

「柚姫?」

「これって消えちゃうの?」

「うん……」

「そっか……」

柚姫は悲しそうな顔をした。