………「あのぉ~目の前で、イチャイチャされても、困るんですけど……」

……あっ、、、、、祐芽と悟君を忘れてた。

「祐芽は今日1日、柚姫といたからなぁ……俺は、まだ、柚姫と長く一緒にいないから。」

少し、膨れっ面で私を抱きしめた。私の髪に顔を埋めながら。

「ハイハイ……わかりました。」

あきれ顔の祐芽。

「ねぇ、ゲーセン行かねぇ?」

悟君の声が横から入ってきた。

「いいな!どうせ行くとこねぇなら。」

悟君の提案でゲーセンに行くことになった。私はあんまり行ったことないから、楽しみだった。

「俺、自転車とってくるわ。ちょっと待ってて!」

悟君が走って学校の自転車置き場に行った。

「私さぁ、悟の自転車に乗って行くから、私の自転車使って!」

「わかった。じゃあ、先行くから」

祐芽と和君の会話からして、私と和君は2ケツ………らしい……。

「柚姫!乗って!」

少し戸惑いながらも、私が後ろに乗ると、和君はそのまま自転車をこぎ始めた。

「和君。重くない?」

私が後ろに乗るのを戸惑ったのは、その事だった。

「ゼーンゼン♪そんな心配いらないって★」

弾んだ声の和君。優しいな………こうゆうとこ、大好き。

「……フフッ♪…和君ッて2ケツ上手いね。私横乗りだし。」

「ん?いっつも、悟を後ろにのせてるからな!」

得意気に言った和君は、信号に止まると、私の頭を撫でた。
信号が青に変わると、自転車が進み始める。

「和君……大好き………」

そういって、和君の背中にコツンと頭をつけた。

「柚姫がそんな事言うなんて珍しい~。」

面白がって、笑う和君。顔は見えないけど、きっと、私の好きな笑顔で笑ってくれてるはず。

「柚姫!もうすぐ着くよ!」

そういったとたん、急にカーブした。

「キャァァァァアァ」

叫び声と共にゲーセンに着いた。

「和。おっそーい」

悟君の声。私達より後に出発したはず。

「お前ら、また近道から来たのかよ。」

和君が言っている、

『近道』

はよく分からないけど、祐芽と悟君は私達よりも先に着いてた。

「じゃあ行こうぜ」