「苺?……どうしたの?話してよ」

苺チャンは、近くにいた柚姫ではなく、俺の方を見た。

「和君。ゴメン……。席、外してくれる?」

きっと、俺がいると話しにくいんだろう。

俺が廊下にでてすぐに、苺チャンが話始めた。

廊下にいても、聞こえてきた、柚姫と苺チャンの話。

「アタシ…和詩君が……好きだった。…中学の時も……クラスは同じにならなかったけど。高校になって、…クラスが同じになった…ッて思ったら。」

……柚姫と俺が付き合ってたッてわけだ。

ていうか、中学であの子いたっけ……?

あえてそのことは言わない。

「でも、苺、言ってなかったよ?」

柚姫が慌てながら苺チャンに問いかける。

「だって……」

『ガラッ』

苺チャンが話してる途中、席をはずしてくれ。と言われたけど、どうしても苺チャンに言いたい事があった。

「苺チャン…?俺は柚姫が好きだ。だから、苺チャンが俺をどうおもっても、俺の気持ちは何にも変わんないよ…」

ちょっとキツいかと思ったけど、緩く言っても、無駄だと思った。

上から苺チャンを見下ろしていたら、苺チャンは涙をふいて、教室を出ていく。

「どうなっても知らないよ?」

この一言を残して。。。

「柚姫?……ッてどうしたッ?」

なぜか分からないけど、柚姫が泣いていた。俺はどうすればいいか分からずに慌ててた。

そんな俺に柚姫は抱きついてきた。

「嬉しいの。和君が私の事、好きッて言ってくれて。」

俺は流れのまま、柚姫の背中に手を回した。

「俺は柚姫が好きだよ?いつまでも。」

俺は柚姫の涙を救った。

柚姫は顔を上げて、俺の顔を見た。

「和君、顔、赤い!」

「いいんだよ。柚姫も少し赤い!」

柚姫は、ほんのり赤くなった顔を隠すように下を向いた。

「柚姫?……こっち見てよ。」

顔を上げた柚姫。

柚姫の顔がさっきよりも、赤くなってたような気がした。

そんな柚姫の反応が可愛くって…

「柚姫の顔、俺より赤くなった♪」

意地悪そうに、言った俺に柚姫は慌てて

「そっ、そんなに赤くないもん!」

俺の方をチラチラ見ながら……

「柚姫なんて、急に抱きついてきた!」