でもやっぱり着てほしい。

それが男のロマンだろ?

……彼女が可愛すぎるのも大変だな…。

…って俺は保護者か!

しかも過保護っぽい……。

……重症だな、俺。

「和詩、大丈夫?」

「だ…大丈夫なはず。」

訳の分からない返事に柚姫は笑い出す。

「笑うなよ!」

「大丈夫なはず…って大丈夫じゃないかもよ?」

「じゃあもう、大丈夫って事で……。あ、映画もうすぐ、行くぞ?」

笑う柚姫を引っ張りながら、映画観の中に入った。

映画観の中は以外にも人は少ない。

もっと多いかと思った…。

「和詩、寝ちゃダメだからね!」

席に座った俺達。

「寝ねぇし……。」

小さく呟いた俺の声が合図かのように映画観の中は真っ暗になる。

あ、始まった。

────────────────────────…………話の内容は覚えてない。

「やっぱり和詩寝てたね♪」

「何で嬉しそうにしてるんだよ……」

俺は途中から寝ていた。

起きたのは、映画の終わりの方。

柚姫が映画を見て泣いていた。