「和な……昔荒れてたんだよね…。遊び人って言う風に俺らの間では有名だった。毎日のように違う女とヤってたし、勿論俺も。何かを埋めようと必死になって…」

和詩、も…?

「悟は祐芽がいたから普通だったんだけどな。」

急に智尋が話をし始めたのを私は止めることもなく聞いてる。

「でも和、ヤった後に必ず言うことがあってな…。」

…………………

「空っぽだ…。やっぱり俺には何もないんだ……って…。」

智尋の目はずっと下を向いている。

「でもさ?警察行って高校入るときには銀だった髪も黒にして、女も全部切ってた。」

私は聞いていることしかできないでいた。

和詞の事ならどんな些細なことでもいいから知っていたいと思うから。

「んで、和は柚姫に会って、柚姫を好きになった。喧嘩だって絶対にしなくなったし。俺は正直すげぇと思ったよ?」

凄い………?

「人ってさ…人の為なら変われるんだな…って。和見てたら俺も変わんねぇとな……って思った。」

智尋が夜中に遊びに行ったり、連れてくる女の子が毎回違っている事には気が付いてた。

けど、高校に行ってからパタリとやんだ。

それは、和詩のおかげなの……?

「だから俺、和がすげぇと思う。柚姫は和の彼女なんだから……」

「でも私はもう和詞の彼女じゃない…」