「…忘れるわけ、ないです。」 「ほぇ?」 「大丈夫です。美桜先輩のこと、何があっても忘れませんから。」 彼女が一瞬、きつく目を閉じた。 僕は、あえて気がついていないフリをする。 「もう!キザなセリフ吐いちゃって!」 そう言った彼女の唇が震えていたことも 泣きそうな表情をみせたことも 僕には全部、お見通しだ。