一瞬、 ほんの一瞬、 分からなくなった。 「……美桜…先輩?」 彼女が大声で僕の名前を呼ばないなんて… どういうことだ? 「どーしたよ?変な顔して」 「なんでもないですよ。今日は何の用ですか?」 「優希の脳に、私の存在を焼き付けに来たよぅ!」 何を言っているんだ… ますます分からない。 「なに変なこと言ってるんです?」 心臓の奥のほうがギュっとして、苦しい。