「バレちゃったか。仕方ないな。」
優しすぎるキミを見ていると、また涙が溢れてくる。
「これ、あげる。」
私はキミに白い封筒と、太い異国の文字で書かれた本を手渡す。
「なんですか?これ」
「私の大好きな小説。手紙は、1年後に開けて。」
「わかりました。美桜先輩が行ったら、すぐ開けます。」
「こらっ!」
軽く右手で小突いてやる。
「そろそろ行くから。バイバイ」
「美桜先輩!」
なんだろ?愛の告白?
「美桜先輩、言いましたよね。『ちょっとの間、私を忘れないで』って…」
「言ってはないけどね。」
からかうように笑う私。
それにつられて笑うキミ。
キミの笑顔が、今はとてもいとおしい。
「いいじゃないですか!言ったでも、書いたでも。」
そう前置きして、キミは言った。



