家から電車で40分かけてたどり着いたのは、これでも1番近い空港。


9時ちょうどに日本を発つ飛行機に、私は乗る予定だ。
両親は先にアメリカに着いているはず。

少し早く着いてしまった私は空港の椅子で、のんびり英語の小説を読んでいた。


もう、キミに会えないだなんて…
考えただけで泣きそうになる。

考えるの、もうやめよう。
キミのいる図書館へ駆け出したくなってしまう。
キミの特等席に、座っていたくなってしまう。

もう、終わったんだ。

「美桜先輩!」

なんで?

なんでなんでなんで?

キミの姿が視界に入った途端、涙が止まらない。
鼻をいくらすすっても、ぼろぼろと落ちる大きな水滴。