「じゃ~あねっ!また月曜日に!」
「ええ。また。」
…最後まで、明るく振る舞えたかな?
私は今来た道を戻って、駐車場に出向く。
朝言われた場所には、予定通り白の軽自動車が停まっていた。
後部座席のドアを開ける。
「体調はどう?倒れたりしなかった?」
「大丈夫。今日はなんだか調子良くて。」
母はホッとしたように微笑んだ。
「それは良かったわ。」
そして、一息おいて切り出した。
「…ねぇ、本当に何も言わずに行くの?」
「うん…」
それから、私も母も口を開くことはなく、
車内には車のエンジン音だけが響いていた。