本当は、今日ここに来ていることが奇跡で、
キミと一緒にいられるなんて、
思ってもみなかった。
ふいに、足元がふらつく。
視界が霞んで、全身から力が抜ける。
「先輩?美桜先輩!」
キミが支えてくれたおかげで、倒れずに済んだ。
そこまで図体でかくないくせに、ガシッと掴んでくれて
少しキュンとしなくもない。
「大丈夫ですか?」
「歩きすぎて疲れちゃったかも。ちょっと休憩しない?」
「そうですね…カフェでも入りましょう。」
「うん!」
気付かれてはいけないのに、胸の奥が沸騰している。
ぐちゃぐちゃになって、洗いざらい吐き出してしまいそう。
でも、決めたから。
絶対に言わないって。
…自分自身に、誓ったから。