「おーい!優希ィ!」

私は、今日も今日とてキミの姿を探す。
…といっても、大声を上げて呼び寄せるだけなんだけど。

それまで静寂に包まれていた図書館が、私の雑音によって、一気に雰囲気を変える。
と同時に、たくさんの咳払いを浴びる。

「ほんっと懲りませんね…」

後ろからの声に、安心しつつ振り返る。
「おやおや?今日は後ろからの登場かな?」

「からかわないでください!」

彼は2コ年下の後輩ちゃん。
そして、私の彼氏。