それは5時間目のことだった。

窓際、一番後ろの席の私に少し隙間の空いた窓から心地よい春風が届く。
お昼ご飯を食べたばかりのせいもあり眠気が襲ってくる。

(机…ひんやりしてて気持ちいい)

眠気に耐えきれなくなった私は机に突っ伏し目を閉じた。

私、藍沢 雨音(あいざわ あまね)はバスケ部に所属している。
うちの学校…月星高校は偏差値は真ん中だがスポーツはかなり有名で強い。
特に、バスケ部とサッカー部はここ数年、全国大会で負けを知らない。
といってもバスケ部が強いのは男子の方だけだ。

(女子バスケ部はこのままで大丈夫なんだろうか…)

ふと眠い頭でそんな考えがよぎる。
女子バスケ部は決して弱い訳では無い。
だが、強い訳でもないのだ。

正直、私はチームの中で一番バスケがうまいし必死に取り組んでいると思う。
自由参加の朝練だって欠かしたことはないし練習開始時間の30分前にはきて1人で練習している。

そこまで考えて今朝の出来事を思い出す。
いつも1番乗りで朝練に来る私は当たり前に今朝も1番だと思い込んでいた。

そう、それがいけなかったんだ。
まさかあんな場面を見てしまうなんて。





















中学二年生の春、お前と出会った。