俺達は付き合ってすでに半年を迎えていた。
クリスマスには隣町の駅前に行き、イルミネーションを見に行った。突然のサプライズだったから凪咲はずっと泣いていた。「なんで言わなかったの?」とか怒りながら泣いてた。
でも最終的には「大好き」ってずっと言ってた。それを見て可愛いなぁって思ってた。その時にもう1つサプライズがあって、密かに安いものだけどお揃いのネックレスをプレゼントした。その時も大号泣。こんなことを俺はしたかったんだって気づくことできた。
最高のクリスマスの日に俺達は深いキスをした。
お互いに初めてのキスだから最初どうやるのか分からなかった。
でもなんとか出来た。
まぁこれもいい思い出。
正月はあの広場で初日の出を見るために早朝から出かけた。しっかりと目に焼き付けた朝日はとても綺麗だった。
それからは毎日会ってはお互いの愛を再確認するという傍から見るとバカップルような日々を送っていた。
そんな時、凪咲から呼び出された。
「どうしたの?」
「あのーこれからお父さんに会って欲しいの」
「え、、、」
急のことでまた俺の頭が思考回路した。
「急だけど、会って話がしたいみたい」
「うん、わかった」
俺は即答したけど、内心ビビってる。
何言われるのかとビクビクしすぎて変な歩き方になるくらい。
凪咲の家の前に来ると余計ビクビクしちゃってる。
「悠、大丈夫?顔が青いけど」
「だ、大丈夫だ、よ、」
呂律も回らないような感覚に襲われた。
でも行って納得してもらわないといけないから腹をくくって凪咲の家に行く。
長い通路を行くとどデカい玄関がお出迎えしてくれた。
「なんていうデカさや」
って呆気にとられてると玄関が開く。
「あら、悠くんいらっしゃい」
「先日はありがとうございます」
「こちらこそよ。今日はごめんなさいね。急なことで」
「いえ、、だ、、大丈夫で、、す、、」
また緊張してしまった。
「そんなに緊張しなくていいわ」
そんなこと言われてもなーってツッコミ入れたくなる。
「私も同席するから」
「上がって」
「お邪魔します」
見上げるとシャンデリアが吊るされてる。
横見ると高級そうな家具や絨毯がある。
全ての物がピカピカ光っていた。
母親の案内で畳部屋に連れられた。

趣きがある部屋。
虎が描かれた掛け絵。
絶対高いやろって思わせるようなテーブル。
全てのことが初めての俺は不審者みたいに落ち着かない。
「悠、大丈夫?」
凪咲が小さい声で気遣ってくれた。
そうだ、俺は凪咲がそばに居る。
何があっても守るって決めたんだよ。
ここで怯んではいけない。
一旦深呼吸をし、落ち着きを取り戻した。
「おう、大丈夫」
その返答に凪咲はニッコリ微笑む。
その時、障子が勢いよく開いた。
一気に緊張感が部屋中に充満したのが分かった。

父親は俺達の目の前に座った。
俺が殴った頬のキズはもう無くなっていた。
喧嘩が弱いとはいえ殴りすぎたとすぐに謝りたかった。
そんな父親の横に母親が座った。
少しの間無言が続いたが。

「その節は大変申し訳ありません」
俺は第一声を発した。
土下座で深々と頭を下げた。
「あの時、凪咲さんが俺の前から居なくなるのが怖くてあんな行動を取ったんだと思います」
「私からも謝らせて下さい」
凪咲も頭を下げた。
その姿に俺はほんとに凪咲を好きになって良かったと心からそう思った。

「二人とも頭をあげなさい」
父親が2人を諭すように語りかけた。
「私こそ凪咲や悠くんに悪いことをしたと反省した。悠くんに殴られた一瞬はあの野郎って思ったけど、時間が経つにつれて凪咲に悪いことをしてきたツケがやってきたんだなって自分を責めたよ」
凪咲と母親が呆気にとられてた。
人が変わったように父親が話してたからだ。
「あなた?」
「私はあなた達のことを認めようと思ってここに呼んだのだ」
「でも1つだけ悠くんに聞きたい」
「はい、なんでしょうか?」
「凪咲は私たちの子供ではない」
「え、、、、」
2人して衝撃的な事実を聞いた。
その衝撃は後ろから硬いもので頭を殴られたような強いものだった。
父親のカミングアウトに母親は泣いていた。
「凪咲には申し訳ないんだけど、私たちは里親なんだ。凪咲が産まれて間もない頃に私の友達が尋ねてきてね、小さな赤ん坊を抱いてた。それが凪咲だった。」
「なにそれ、、、、」
俺は少し落ち着いたけど、凪咲は動揺を隠せないようで口元を手で隠してた。ほんとにショックだったのだろう。
小刻みに震えていたし目が潤んでいた。
「その友達というが、、、」
それを言った瞬間、俺は嫌な予感しかなかった。
「悠くんのご両親だった」
俺は心臓にナイフかなにかを突き刺された思いがした。
え、、俺の、、両親?、、、
おいなにかの間違いだろ?
俺と凪咲は兄妹?
しかも双子の妹なん?
想像を絶するってこういうことを言うんだな。
俺と凪咲は二人とも泣いていた。
行き別れた兄妹の再会ってもっと感動的な感じじゃないの?
「なんで言わなかったの?」
凪咲は半分キレた口調で父親に迫った。
「なんでもっと言ってくれなったの?」
「それは、、悠くんのご両親に言われたんだ。このことは凪咲が大きくなるまで黙ってて欲しいって」
ほんとに大人って勝手すぎる。
俺たちを引き離したのにも関わらず虐待や暴言とか平気に言ってた。
俺は父親が言った内容をほぼ聞くことが出来なかった。
考えることが出来なくなった。
俺の頭に今まで我慢してきたものが爆発しそうな感じがした。
「あへ、俺達は血の繋がった兄妹、、」
「それでも悠くんは凪咲のことを愛せる?」
最後の父親の問い掛けだけ聞こえた。
「そんなの当たり前です」
「悠、、、」
「兄妹なら尚更愛します」
「私も愛します」
俺たちの表情をみて父親も覚悟決めたような表情に変わった。
「凪咲をよろしくお願いします」
父親は頭を下げた。そして、認めてくれた。
隣に座っていたは母親も同じように頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして衝撃的な1日は過ぎて行った。
俺はアイツらと戦わないといけなくなった。
凪咲を守るために、、、