凪咲に俺の気持ちを伝えると凪咲も同じ気持ちだった。
学校でも俺達はいつも一緒にいる。
そんな中、冬休みを迎えようとしていた。
「巧は彼女とかいないの?」
不意に聞いてきた俺に巧が挙動不審だった。
「え、あ、うん。いるよ」
「え!?誰々?」
「俺の恋愛には興味あるんだな」
まぁ巧自身にはあまり興味を示さなかったけど、恋愛のことになるとまた別の話になる。
「まぁどんな子かなって」
「俺は同じクラスの奈美ちゃん」
「まぁ知ってた」
「知ってたなら聞かなくていいじゃん」
「確認だよ」
巧はふてくされるように顔をそっぽ向く。
「巧ごめんな」
「まぁいいよ」
「巧は優男だな」
「知ってるー」
巧とはそんな会話出来るようになるくらい仲良くなった。
元々好きだったけどどこか避けてた自分がいてそれが嫌だったから今は話している。
俺と凪咲のことは付き合って1番に報告した。
すると巧は「良かったな、まぁ知ってたけどな」なーんてことを言ったから巧に問い詰めたな。
俺の行動は分かりやすいんだとさ。
俺って単純なのかな?
そんなことを考えてると
「悠は、クリスマスはどうするの?」
「もちろん凪咲と過ごすよ」
「また喫茶店?」
「そうなるかな?」
「イルミネーション見に行ったら?」
「どこにあるの?」
「隣町の駅前」
あー確かに綺麗だって凪咲が話してたっけな。
今日誘ってみるか。
「巧達も行くの?」
「俺達は家デート」
なんだ一緒のところじゃないのか。
まぁ鉢合わせするのも気まずいからな。
「まぁ今年はお互いに寂しいクリスマスにならずに済んだな」
「確かにそうだよな」
てかこんなに続いたことないし。
いつも3ヶ月で終わっちゃうから。
クリスマスを彼女と過ごしたこと1度もない。
だから内心ワクワクしかない。

その日の放課後
校門前で凪咲を待ってると後方に凪咲の母親がいた。
「あの、悠くんですか?」
「はい、そうですが」
「少しお話があります」
「分かりました」
俺と母親は少し学校から離れた場所で話をした。
「うちの凪咲とお付き合いされての?」
「はい、ご報告が遅くなり申し訳ありません」
俺は母親に頭を下げると
「悠くん頭を上げてください。私はあなた達を引き離そうとしてるわけではありません」
俺はしっかり話を聞くために黙っていた。
「あの子は父親に惨めな思いをさせられた」
「はい、凪咲さんから聞きました」
「あ、そうあの子話したのね。悠くんには感謝を言いに来たの」
「え、いえ感謝とか」
「あの子家に帰ると私にね悠くんのことを嬉しそうに話してくれるの。あんな表情を見せることが出来なかったあの子が変わったの。だから悠くんのおかげなのよ」
母親からの感謝には正直驚いた。
俺は当たり前のように凪咲に恋をし、そして付き合った。
でもそれが凪咲が変われたのなら嬉しくもあった。
「でもね、あの子の父親はあなた達のことを許してないの」
「そんな、、、」
「お父さんはあの子に対して異常な思いでいるの」
「それも聞きました」
「私にはもう手に負えないの」
「お母さん、俺は何があっても凪咲さんを守ると決めました。でもお父さんのことは正直俺もどうしようか考えてました。今も答えが出せないでいます」
母親は俺の言うことに耳を傾けて聞いている。
「俺は凪咲さんのご両親には認めてもらいたいです。そのためなら俺は反対されてもちゃんと会ってお話します」
「そうしてもらえるとお父さんも分かってくれると思うわ」
「はい、凪咲さんを育てて下さってありがとうございます」
そう伝えて俺は母親から離れる。
すると「悠くん、凪咲をよろしくね」って母親が頭を下げながら言った。
俺も微笑みながら頭を下げる。

校門前に戻ると凪咲が待っていた。
「あれ?悠どこに行ってたの?」
「凪咲のお母さんと話してた」
「え、、、お母さん来たの?」
「うん」
「なんて?」
「凪咲のことをよろしくって。あとお父さんは認めてないって」
「お父さんね」
「俺は凪咲の両親に認めてもらえるように何度も行くから」
そう伝えると凪咲は嬉しそうに俺に抱きついてきた。
「悠、ありがとう、大好きだよ」
「俺も大好きだよ」
「帰ろっか」
「そうだな」
俺達の愛は永遠に続く。
これは誰にも邪魔されない永遠の愛だ。
俺は隣で笑っているこの笑顔を守ることに命をかける。
凪咲も同じやって欲しい。