雪が降っていた
12月31日
私はベランダに立ち雪を眺める
「寒い...。」
しんしんとした寒さが私に伝わってくる
もうすぐここから飛び降りるのに
私の心は何故か穏やかだった
やっといじめから解放される
その気持ちが強かった
遺書は机の上にわざとらしく置いて来た
夜の10時26分
まだたくさんの明かりがついていた
でも、一つ、また一つと消えてゆく
夜の10時28分
流石に頭から落ちるのは怖いけど
マンションの3階に住んでいる私は死ねるか心配だった。
夜の10時30分
「さようなら」
ベランダから身を乗り出し頭から飛び降りた
絶対に死ねるから
死んだら痛みも感じない
そう考えると怖くなかった
バサッ音が聞こえた瞬間
私の意識はスゥーっと遠くに行った気がした

