「あぁ(自覚してないのがよけいにたち悪い)」
「言っておきますけど!これでも記憶力には自信あるんですから!テストだって、いつも…」
そこまで言いかけてはっとした。
私の目の前にいる人は、私が必死で守り抜いてきた一位の座を悠々と奪い取っていった人。
勉強のことで向こうのほうが優位にいるのは否めない。
「いつもなに?」
私史上最大にして最悪のライバル。
でも、こんなとこで諦める私じゃない。
絶対、絶対、ぎゃふんと言わしてやるんだから!
「うるさいっ。…長谷川光輝!次こそあなたを抜かす!」
「抜かせるもんなら抜かしてみな。”地味子”ちゃん?」
「覚悟しておきなさいっ」
絶対、長谷川君になんか屈しないないんだから。

