広報部に配属されて四カ月足らず。
経験不足の私では、奥田マネージャーや他の先輩方が提案する細やかで素晴らしいアイデアに遠く及ばないけれど。
「十二月といえばクリスマスですよね。でも、普通にクリスマスを意識したものを絡めるだけでは既視感がありすぎるので……例えば、雪国に住む魔女の結婚式なんてどうでしょう」
ふと浮かんだ、自分だったらこうしたいというプランを口にする。
「魔女……」
「魔女といっても、黒ではなく白い魔女です。可憐で透明感と気品を漂わせた魔女。それならシャルマントのイメージとも合いません?」
白い雪に覆われた国。
一年中雪化粧した森の奥に住んでいるのは、白を纏う美しい魔女。
心優しいその魔女は、ある日、森に迷い込み怪我をして、寒さでとうとう動けなくなった人間の男性を介抱する。
やがて魔女は人間の男性に恋心を募らせていく。
怪我の具合も段々と良くなっていくが、それは別れが近いことも示していて。
その時が訪れる前に、どうにか振り向いてほしい魔女は、魔法で虜にしてしまいたい気持ちを堪え、代わりに自らの唇に口紅を塗ると……。
「プロポーズされるのか」
コンセプトに繋がる物語の結末を、東雲部長が当てて、私はひとつ頷いた。



