「……だ、大丈夫ですか」
「問題ない」
淡々とした声で返して、東雲部長は今度こそ扉を開けて家を出て行く。
……もしかして、だけど。
ほっぺにキスで動揺してくれた?
やっぱり部長、やられるのに弱いのではと、弱点を見つけた気がして楽しくなってくる。
ガレージのシャッターが上がる音がする中、寝不足だった私の頭はスッキリと冴えて。
「今日も一日頑張りますか!」
軽い足取りでダイニングに戻り、東雲部長が用意してくれた朝食の野菜たっぷりのサンドイッチを頬張ったのだった。
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