もう一度彼を追い駆けて呼び止めてみても、真実を問いただすことはできそうにない。

本当のことが知りたいのに、一歩を踏み出すことができない自分が情けない。

次第に小さくなっていく彼の後ろ姿を見つめながら「はあ」とため息をつく。けれど、それも束の間……。

「未来。説明して」

「あ、うん……」

クリッとした大きな瞳を細める不機嫌そうな真美に、今までの経緯を説明するように急かされてしまった。

雨がちらつく中、すべてを真美に打ち明ける。それでも真美は、すぐには納得してくれなかった。

「未来、どうしてもっと早く話してくれなかったの?」

「それは……」

彼に後をつけられた上に予言のようなことを言われたことを内緒にしていたのは、真美に心配をかけたくなかったから。

でもそれを真美に言うのはなんだか恩着せがましいような気がして、言葉がつかえてしまった。

言いたいことをハッキリと口にする真美とは違い、思っていることの半分も伝えられない不器用な自分がもどかしい。

「未来、あのさ。アイツが言ったことと、佐伯のおばあちゃんが亡くなったのは単なる偶然だよ。おばあちゃん、年だったしさ」

今まで私を責めるようなことを言っていた真美の態度が急に変わったのは、黙り込んでしまった私を元気づけるため?