死神の恋


幸希と出会えなければ、私は自分に自信が持てず、ダンスも勉強も中途半端なまま高校を卒業したはずだ。

私も幸希と出会えたことに感謝しているよ。ありがとう、幸希……。



読み終わった手紙を丁寧に折り畳んでいると、背後から慣れ親しんだ声が聞こえてきた。

「未来、もしかして例のヤツ、また読んでるの? いい加減恥ずかしいから捨ててほしいんだけど」

彼がそう言うのは、もう何度目かわからない。同じことを何度も繰り返す彼をおかしく思いながら、ソファから立ち上がり、その手紙をチェストにしまう。

「これは私の大切な宝物。だから捨てません」

リビングに姿を現した彼のもとに向かって手を引くと、一緒にソファに腰を下ろした。

クリスマスイブの夜に書いたという彼の手紙を読んで、私はすべてを知った。

腕と足に傷跡は残ってしまったけれど、今も私はこうして生きている。そして彼も……。

「あっ、幸希。今、動いたよ」

「えっ、本当?」

私と揃いのマリッジリングをはめている幸希の左手を掴むと、少し膨らんできた自分のお腹にそれをあてた。

もう幸希には、命を喰らう魔物は見えない。魔物は彼の命と引き換えに、光を喰らっていったから……。

「どう? わかる?」

「ん?……ん……ん?」

眉をひそめてうなる幸希を見て、クスクスと笑った。