お互いの気持ちを確認し合った私たちは公園を出ると、線路沿いの道を再び進む。

太陽が沈んで辺りに暗がりが広がる中、幸希と一緒だと知らない土地を歩いていても不安は感じない。幸希の温かくて大きな手に包まれているだけで、自然と笑みが浮かんでしまった。

「ねえ、未来。イブの予定は?」

「……ダンスの練習」

「へえ、イブまで練習とはね。さすが」

私がクリスマスイブの予定を告げると、幸希が感心したようにうなずいた。

二十四日の練習が終わるのは、午後五時。それからカラオケ店でクリスマスパーティーが開催される。

ダンス部のクリスマスパーティーを心待ちにしていたはずなのに、今は幸希と一緒にクリスマスイブを過ごしたいという気持ちでいっぱいだ。

「でも練習は五時に終わるから……」

繋いでいた手にキュッと力を込めて、会いたい気持ちを伝える。

「じゃあ、今日のリベンジ。一緒にイルミ見に行こ?」

「うん!」

お互いの顔を見つめると、微笑み合った。

ラッキーランドでパレードも打ち上げ花火も見られなかった分、クリスマスイルミネーションへの期待が高まる。と同時に、もしかしたら来年のクリスマスイブは幸希と一緒にいられないかもしれないという不安が胸をよぎった。

私に取り憑いている魔物が見える幸希に聞けば、自分がどんな風に命が終わるのかがわかるはずだ。でもその答えを知るのは、やはり怖い。

今はクリスマスイブのことだけ考えよう……。

不安を打ち消すように隣の幸希に向かって「楽しみだね」とはしゃいだ。