休日に訪れたのは、小学生ぶりのバッティングセンター。
ただし、家の近くにある店ではなく、わざわざ電車で行かなくてはならない場所にした。
近所のバッティングセンターだと、小学生の頃に通いすぎていて、今でも顔を覚えられている可能性があるからだ。
過去の栄光を知る人と会う時にはそれなりに体力を使う。
相手に悪気がなくとも、その頃の話になりがちで、愛想笑いをするのに疲れてしまう。
種類豊富な急速のバッターボックスにはそれぞれ、子供やおじさんが立ち、バットを振るっていた。
順番待ちか、それを見守っているのか、金網の外で腕を組んで眺めているだけの大人も数人いる。
女1人ではかなり浮いている。
店に入った瞬間、珍しいものでも見るようにいくつかの目が集まった。
運良く空いていたピッチングゾーンに入り、周りの視線を回避する。
ピッチングゾーンは目の前に9枚の板が正方形に並んで立っている。
お金を入れると、ボールが通路を通って運ばれてきた後、弾かれて、ふわりと目の前にボールが浮き上がった。
それをキャッチして、狙いを定める。
まずは、ど真ん中。5番狙い。
振りかぶって、思い切り体重を移動させて腕を前に振るう。
ボールは狙いではない、隣の4番の外側のフレームに当たった。
高さは悪くない。でも、左右のコントロールがめちゃくちゃだ。
次のボールは修正が少し効いて、4番を撃ち抜いた。
その次のボールは、右に行きすぎて6番を撃ち抜く。
そして、次のボールでやっと、5番を捉えることができると、思わず「よしっ」と声が出た。

