「ねぇ、修!」

充希が鋭い声を出し、修を呼び止めたようだ。

「何であんな、無理矢理やらせるようなことするの?」

「お前らと変わらなくない?」

「どこが?」

「無理矢理友達やらせてるところ?」

一瞬、何のことを言っているのかわからなかったけれど、充希と私の付いたり離れたりした関係を言っているのだ。

充希もそれを察したのか、泣きそうな顔で修を睨んだ。

「サイッテー」

「どっちが」

「修ちゃーん。女子に向かって、お口が過ぎるんじゃないのー?」

見兼ねた沖田君が仲裁に入る。

「ごめん、鷹野。俺が余計なことまた言ったからこうなったんだよね?ほんと無理なら、俺うまいことやっとくよ?」

「うるせー。鷹野は俺と組むんだよ」

「何で、お前突然そんな頑ななのー?割と何でも淡白なくせにー」

「こいつだけ、逃げようとしてたからムカついた」

「ふーん、俺の運営に協力してくれたってことで俺は感謝しますけどー?鷹野の気持ちも考えてあげないとさー」

「あー、うるせ。部活行く」

その場を投げ出した修はエナメルバッグを肩に掛け、教室を出て行き、沖田君も「またなんかあったら言って」と修を追いかけて行った。