「脩は強いね。大きな決断をどんどんしていく」
「鷹野と離れてまで勉強しにいくんだから、中途半端なことできねぇだろ」
嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちが湧き上がってくる。
「・・・私と会った時には、キャッチボールとかしよ」
「鷹野と?」
「手応え足りないかもしれないけど」
「マジ?やろうぜ。俺も久しぶりに鷹野の球受けたい」
「脩に比べたらしょぼいのに」
「俺、鷹野のフォーム好きだけど」
フォームを褒められただけなのに、好きという言葉をストレートに言われるとドキッとしてしまう。
「本当に克服してるんだな、野球嫌い」
「脩の野球してる姿、見たいし」
「ちょっとそれはヤバイ。決心揺らぎそう」
脩は手で顔を覆って心の中の何かと戦っているようだった。
野球をしている脩は生き生きとしていて、いつもより輝いているように見える。
脩がそう決めたのなら、応援しよう。
目にしっかりと焼き付けて。

