3回戦突破の報告を受けた次の朝、会ってすぐにおめでとう、と伝えると、余裕の笑みを見せた。
「応援に行くの楽しみだけど、緊張する」
「肩のことか?」
脩は肩に視線を向けながら迷いなく言うので、え?と思わず声が出てしまう。
「鷹野、俺の肩見過ぎ」
「そんなこと無い、と思うけど」
「もう平気だよ。鷹野の体重だって支えられると思うよ。寄りかかってみる?」
右腕を出してくるので、慌てて首を振る。
「ピッチャーの右腕にそんなことできないよっ」
「冗談だって」
脩が小さく笑って腕を引っ込める。
「からかわないでよね。私は本当に心配して・・・」
「悪かったよ。鷹野が気にしてないふりしてたのも知ってた。けど、本当に平気だから」
「バレてたんだ。恥ずかしいな、見通されちゃってたんだね」
「俺だって、鷹野のこと結構見てんだよ」
「み、見てるの?」
「・・・まぁな」
思わず口を滑らせてしまったのか、脩は照れ臭そうに視線をずらした。

