青夏ダイヤモンド



高校3年生にとって、最後の夏の大会が始まった。

大会日程では、3回戦まで平日開催で4回戦は休日開催となっていた。

平日、野球部は公休を取って大会に出場するものの、他の生徒は学校でいつも通りの授業だ。

4回戦まで勝ち上がってくれれば、応援に行く事になっている。

脩の肩は完治はしているそうだが、顧問は無理をさせすぎない選択肢を取っていて、完全に脩に頼った投球を極力避けてくれているという話だった。

多分、勝ち上がった時までの温存としても考えているのだろう。

授業中ではあったが、内容はほとんど入っていなくて、ポケットに入っている携帯の存在ばかり気になっていた。

時間通りなら、そろそろ3回戦の結果がわかるはずだった。

そわそわしていると、ポケットの中の携帯が振動したので、祈る思いでこっそりメッセージを確認する。


3回戦突破。応援よろしく。


「やっ・・・」

ガッツポーズと共に思わず出かかった言葉を飲み込んだが、間に合わず、先生に睨まれてしまった。

前の席で充希がこちらを向いて微笑んだので、私は2度頷いた。