「何、してんの?」
ドアを開けた脩は今までに見たことがないくらい驚いていた。
それはそうだろう。
帰って来たら自分の部屋に私がいるのだから。
電車を途中下車した後に脩の家に向かった。
帰って来ているのかもわからなかったから無謀ではあったけど、お姉さんが出て来て、部屋にあげてくれたのだ。
「話をしに来た」
「何の?」
「病院行ってたんでしょ?肩を診てもらいに」
「姉ちゃんか。余計なことを」
乱暴に鞄を放り投げると、ベットの上に勢い良く座った。
「そんなに悪いの?部活が出られないほどに?」
脩は何も言わず、黙ったままだ。
「話してよ。この時期に肩を壊すって精神的に辛いと思う。けど、私に隠さなくたっていいじゃない」
「何ができんの?」
そう言われて何も言えない自分が嫌だった。
そうだ。私が脩の肩を直してあげられるわけじゃない。
そんなことはわかってる。
「心配かけたくなかっただけだよ。大したことないって言われてる。ただ、無理はしない方がいいってことで、病院に通いながら投球練習はしていく。明日からは部活に出てもいい許可出たから」
話は終わりだ、とでも言うように脩はベットの上に寝転がった。

