脩とは気まずくて、学校にいる間、一言も話すこともなかったし、目も合うことはなかった。

放課後になると、真っ先に教室を出て行ったので、まだ教室に残っていた沖田くんに詰め寄った。

「脩って部活行ってる？」

「な、何？何でそんなこと聞くの？」

「何か脩がおかしい。グラウンド見ても脩がいないし、何か知ってるでしょ？」

沖田くんの目が泳いでいるので、絶対何か知っているはずだった。

けれど、沖田くんは激しく首を振るだけだった。

「ごめんっ、鷹野。俺は何も喋られないんだ！」

「脩に口止めされてるってこと？」

「何も言えないっ！勘弁して！」

沖田くんに口止めしてまで、何を隠す必要があるというのだろう。

朝のことだって、翔馬くんとの話は私が話さなかったことをどこからか聞いたことで、苛立ちがあったのは確かだとは思うけど、あれが本当の理由ではないと思った。

何かを隠すために、翔馬くんの話を持ち出したんだろうと思った。