「で、鷹野はここで何してたわけ?立てなくなったのか?」

「脩を、探してた」

「片付けすっぽかしたからか?」

「違うよ。谷下さんとどこか行ったって聞いたから、気になって」

「何で気になったんだよ」

「だってっ・・・!」

射抜かれるような脩の目に気圧されたのか、確信を言おうとして急ブレーキを思わずかけたのか、咄嗟に目を逸らす。

「目逸らすなよ。何で気になったのか、知りたい」

そんなの、言わなくたってわかるんじゃないの。

恋愛経験あるんでしょう。

からかってるなら、早くそう言って。

「俺が自惚れてんの?鷹野がここにいるのは、俺の事が好きだからだ、って思ってんだけど」

一瞬にして身体中の熱が駆け巡る。

四つん這いのまま、体を反転させて、逃げようとすると、手を掴まれて元の場所に戻された。

「逃がさない。鷹野の口から聞くまで、離さない」

頭の中が膨張して何かがずっとグルグルと回って何も考えられなくなっている。

脩が掴んだ手からは熱が帯びて行き、身体中に伝染する。