模擬店のピークは食事なら昼時、デザートなら昼過ぎで他の時間はなかなか売り上げをあげられないものだが、特進クラスには常に数組のお客さんが入っていたようで、盛況ぶりはどの時間を通しても変わらなかった。

撮影担当者の女子生徒と役割を代わり、他校の制服を可愛く着こなした女子生徒2人の撮影を始める。

ただのカメラ機能ではなく、アプリを使っているようで、ふんわりとした効果が最初から入っていた。

脩は案内係りに担当割りになっていたのだが、顔が怖いと思われて無愛想な脩がお客さんを逃がしてしまわないかと不安だったが、案外違和感なくお客さんに説明や案内をしている。

説明を受けていた大学生くらいの女子が教室に入ってきてからも、チラチラと脩のことを見て「かっこよくない?」と囁いているのが聞こえた。

「あ、ごめんなさい。ブレちゃったのでもう一回撮りますね」

意識が散漫になっていたせいで、ピントが合っていない写真を撮影してしまった。

脩や女子大生のことを頭から追い払い、目の前の撮影に集中する。