ひとまずお腹も空いたし模擬店を物色し、お腹を満たす。

食べ物は本当に多種多様で、廊下にも売り歩きが次々に声を掛けてくる壮絶な争いがあるようだった。

「それ、美味いの?見た目、毒々しいんだけど」

「普通の綿あめだよ」

ハロウィンを若干意識した色合いの綿あめは見た目の奇抜さはあるものの、味はいたって普通の甘い綿あめだった。

脩はおもむろに綿あめをつまみ取り、自分の口に入れる。

「ほんとだ」

くっ・・・。不意打ちにそういうことをするのはやめてほしい。

何かよく分からない感情が込み上げてくるから。

「あ、脱出ゲームだって。あれ、やろうよ」

「何それ」

「謎を解いたら脱出できる、ってやつ」

「謎ねぇ。余裕じゃねぇの」

そう言って入った脱出ゲームの謎の数々はなかなか手が込んでいて、時間内に解くことはできなかった。

どうやら、脱出者はまだ0の超難関脱出ゲームだったらしい。

教室を後にすると、脩は舐めていただけにかなり悔しそうにしていて、もう一回やると言い出したけど、挑戦権は一度しかないらしくて、尚苛立っていた。