Bloody Kiss♡



─ 七海くん!?


悪い予感が的中した時の衝撃は、何にも例えようが無いほど。

店を飛び出した瞬間、あたしの瞳に血を流して倒れている七海の姿が映った。


大きなトラックが一台、路肩に停まっていた。

運転手らしき作業着姿の男の人が狼狽えた顔で立っていた。


「七海くん!!」


駆け寄るあたしを救急隊員が制止し、担架に乗せられた七海は、救急車の中へと運ばれた。


数時間後、あたしは七海の死を知った。

自分達の愚行が招いた結果だった。


七海を殺したのはチヒロを襲った中年男でもなく、トラックの運転手でもなく、あたし達だった。