─ 七海くん!?
悪い予感が的中した時の衝撃は、何にも例えようが無いほど。
店を飛び出した瞬間、あたしの瞳に血を流して倒れている七海の姿が映った。
大きなトラックが一台、路肩に停まっていた。
運転手らしき作業着姿の男の人が狼狽えた顔で立っていた。
「七海くん!!」
駆け寄るあたしを救急隊員が制止し、担架に乗せられた七海は、救急車の中へと運ばれた。
数時間後、あたしは七海の死を知った。
自分達の愚行が招いた結果だった。
七海を殺したのはチヒロを襲った中年男でもなく、トラックの運転手でもなく、あたし達だった。


