右手で梯子に掴まって、左手は下着が見えないようにスカートを押さえ付けた。

誰が見たって情けない姿だけど、それを構う余裕は無かった。


「だから、なに?あなたに関係なくない?」

強気の態度で、あたしは彼を睨んだ。


銀色の髪と黒の煌びやかなスーツ。

見た感じは、まるでホスト。

いかにも、“夜の世界で生きてます”的な雰囲気を漂わせている。


端正な顔立ちは、成長した美少年を思わせるけど、どこかエロティックで‥。

左耳のイヤカフから垂れたチェーンに揺れるCrossが、廊下の常夜灯に煌めいていた。