「今日はアツヤくん、迎えに来ないん?」

くるみに訊かれて、一瞬、返事を躊躇した。

だけど、隠していたって仕方ない。


「別れてん。」

あたしは肩を竦めて見せた。


「え?いつ?」

「三日前‥かな?」

「マジで?その割りにロナ元気やん。ロナがふったん?」


くるみが驚くのも無理は無い。

今まで、アツヤとケンカする度に彼女に愚痴っていたんだから。


「違うよ。あたしがふられた。でも‥。」

「なに?」


自分でも意外だった。


「気になる人、いるかも‥。」


認めたくないはずの想いを、あたしは口にしていた。