途端、あの日の出来事が頭の中を渦巻いた。 泣き叫ぶチヒロと硬直状態だったあたし。 血だらけの七海と、サイレンの音。 ─ ごめんね‥ 七海くん‥ ごめん‥ 命がどれほど大切か分かっていたはずなのに‥ なんで、あの時 死にたいなんて思ってしまったんだろ‥ 「絽那ちゃんは自分を大切にしてね‥。」 七海の母親の言葉が脳裏を過ぎる。 震え出した体を落ち着かせるように、あたしは自分を抱きしめた。 確かに足元からは温風が吹き出しているのに、暖房の効いた車内で、体の奥は氷のような冷たさを感じていた。