Bloody Kiss♡

 

「あ、そうですか。そりゃどーも!」


熱くなる頬を誤魔化すように、部屋を飛び出した。

廊下を走って螺旋階段を駆け上がり、その勢いで二階へと向かった。

そして、乱暴に部屋の扉を開け、ベッドにダイブした。


─ 有り得ない‥

  魔物にときめくなんて‥


セトの考えていることが全く分からない。

あたしをどうするつもりなのか、何も分からない。


誘拐されて軟禁状態で、その腹立たしい実行犯は吸血鬼。

なのに、彼に魅せられているあたしがいる。


見つめられただけで、DOKIDOKIするなんて‥。

認めたくないのに、逐一反応するココロは否定しようがなかった。