Bloody Kiss♡

 

身を固くしたまま戸惑うあたし。

その様子を面白がるように、セトはクスッて笑った。


「まぁ、合格ラインだな。」

独り言のように呟き、彼は あたしから離れた。


「合格?なにが?」

小首を傾げるあたしに、セトは嫌味な笑顔で答える。

「お前って、根っからのドMじゃん♪」

その言葉が あたしの導火線に引火した。


「は?なに言ってんの?意味分からんし!」

思わず、勢い良く起き上がった。

セトの理解し難い言動に、寒ささえも吹き飛んでいた。


「おい!吸血鬼!あんま調子に乗ってたら殴んでっ!」

拳を握りしめて威嚇してみたけど、効果なんて無くて

「その気の強さは、言わば仮面ってとこか?その仮面剥いで鳴かせる時は、超快感だろうな。」

セトは茶化すように言うと

「でも、あれだな。ロナの挑発的な性格は命取りだ。その部分だけは、オレ様がしっかり矯正する必要があるな。」

さっきとは打って変わって、真剣な瞳であたしを見つめた。