「見た目若くたって魔物なんやから何百年も生きてるよね?オッサンってゆーか、おじいちゃん♪」
彼を言い負かした気でいると、セトは手のひらをスッと上に動かした。
途端、あたしの体は宙にふわふわと浮き、呆気に取られるうちにベッドの上に着地した。
「え?なに?」
抵抗する間なんて無かった。
セトは、あたしを軽く組み敷くと
「寒いんだろ?あったまろーぜ。」
って、耳たぶにkissをした。
その一瞬で全身の力が抜けた。
耳は、あたしの弱点なんだ。
「やだ‥。」
言葉では抵抗したものの、体が動かない。
「本気イヤなら、もっと暴れてみろよ。ん?」
耳元で彼が囁く。
甘い吐息が鼓膜をくすぐった。
「ホントに‥、イヤやもん‥。」
DOKIDOKIと騒ぎ出した胸に思考は反発している。
頭とココロは真逆で、どうすればいいのか判らなくなった。


