なのに、何度呼び掛けても起きる気配は無い。 露出度の高いメイド服だけでは、そう長くいられる室温じゃなくて、段々と腹が立って来た。 「早く起きてよ!寒いやんっ!」 “短気は損気”なんて諺があるけど、あたしにしてみれば よく我慢した方だ。 「あのね、オッサンは吸血鬼やから平気かもやけど、あたしは人間やねんで!」 腹立ち紛れに声を荒げた時 「おい、待てよ。誰がオッサンだよ‥。」 眠そうな目を薄く開け、セトは、あたしに向けて右の手のひらを見せた。