暫く待ってみたけど、返事は無かった。
─ 爆睡してるのかな?
てか魔物でも爆睡するんや‥
なんて妙に感心しながら、かじかむ手でドアノブを廻した。
そして、そっと扉を開け中に入った。
「セト様、寝てるの?」
ベッドへと近付きながら、彼に声を掛ける。
てっきり西洋風の棺の中で眠っているものと思っていたから、その光景は意外だった。
黒いシーツの掛かったベッドで、シルクのパシャマに身を包みセトは仰向けに眠っている。
やはり寒さは感じないみたい、ベッドには毛布はおろか掛け布団も無かった。
「ね、セト様。」
あたしは、再度 声を掛けた。


