Bloody Kiss♡

 

暫く待ってみたけど、返事は無かった。


─ 爆睡してるのかな?

  てか魔物でも爆睡するんや‥


なんて妙に感心しながら、かじかむ手でドアノブを廻した。

そして、そっと扉を開け中に入った。


「セト様、寝てるの?」

ベッドへと近付きながら、彼に声を掛ける。

てっきり西洋風の棺の中で眠っているものと思っていたから、その光景は意外だった。


黒いシーツの掛かったベッドで、シルクのパシャマに身を包みセトは仰向けに眠っている。

やはり寒さは感じないみたい、ベッドには毛布はおろか掛け布団も無かった。


「ね、セト様。」

あたしは、再度 声を掛けた。