朝食のあとは、夕方まで散々な目に合った。

ランチタイムは取らせてくれたけど、ホルスにこき使われたんだ。


こんなに広い屋敷なら、ホルス以外に使用人がいても可笑しくないのに、掃除も洗濯も窓拭きも全部、あたし一人でやらされた。

着ている物がモノだけに、派手には動けない。

超ミニのメイド服から、おパンツが見えないように気を遣わなきゃいけないし、広く開いた胸元だって目立たないように動かなきゃいけない。


「お嬢様、次は床磨きで‥。」

「は?まだあるの?」

「お嬢様には、言葉の作法も足りないようでございますな。言葉は心の鏡でございます。」

なんて、言葉遣いまで指摘される始末。


─ てか「も」ってなによ‥

  TPOで使い分けてるっての‥


ホルスに監視されながら、廊下や階段を雑巾掛けするのが大変だった。