「ナメんなっ!!」

馬鹿でかい声に怯んだみたい。

アツヤの目に、一瞬だけど動揺の色が浮かんだ。


「他に好きな子が出来たん?ねぇ!」

「どうでもえーやんけ‥。」


きっぱりと否定しない態度に悔しさは増す。


「マジ、ムカつく!あり得んし嘘つき!出てってよ!今すぐ この部屋から出てけ!」


あたしの中にある感情は、嫉妬だけ。

込み上げて止まない怒りは、僅かに残る冷静ささえ消した。


「あたし別れないし!約束したやん!結婚しよって!なのに、どーゆこと?」

「ロナ!頼むから別れてや!てか、ここ俺の家やし、お前が出てけよっ!」

「やだ!!」

「頼むから‥、いや、お願いします!!」


─ え?


突然、目の前でアツヤは土下座をした。